2018年第1回調布市議会定例会にて、種子法に関する意見書を提出しましたが、賛成少数で本会議否決

調布・生活者ネットワークは、以下の意見書を市議会に提出しましたが、自民・公明党の反対により、賛成少数で否決されました。

 

主要農作物種子法廃止に際し日本の種子保全の施策を求める意見書

 

2017年4月14日主要農作物種子法(以下、種子法)の廃止法案が可決成立し、2018年4月より種子法は廃止となります。

種子法は日本の農業と国民の食生活を支えるため1952年に制定されました。この法律では、主要農作物である稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆の種子を各都道府県を通じて安定的に生産し供給するうえでの国の責任が定められています。法に基づき都道府県ごとに厳密な品質管理のもと農家に優良で安価な種子供給が行われ、国民は食の根幹である主要農作物が安定して生産されることに国が責任をもつことにより安心できる食生活を送ってきました。

種子法廃止の理由としては、民間事業者のさらなる参入を促すことがあげられています。近年消費者の中食、外食利用が増加し、特化した品種の開発や生産、流通が求められていることや海外輸出のための戦略として、新しいニーズに柔軟かつスピーディに対応するためとされています。

しかし、種子法が廃止されるとこれまで維持してきた主要農作物種子の安定的な生産供給の法的根拠とそのための財源が失われることになり、今後、優良品種の維持や開発、品種の多様性、価格などの面で危機的な影響を受けることが懸念され、食料安全保障上きわめて重要な施策が失われかねません。

これまで公的な資金、人材を投じ法律のもと生産・普及してきた主要農作物の種子は公共のものであり、国はこれを国民全体の共有財産として守っていく責任があります。

第193回国会農林水産委員会では、種子法廃止後も引き続き都道府県は主要農作物種子の生産、普及を担うとしながらも、具体的な施策が示されていません。

よって、調布市議会は、政府に対し、日本の主要農作物の種子を公共の財産として保全するために積極的な施策を求めます。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 

2018年  ○月  ○日

 

衆 議 院 議 長

参 議 院 議 長

内 閣 総 理 大 臣     宛て

農 林 水 産 大 臣

経 済 産 業 大 臣