8日㈭、市長に対し、2018年度の基本的施策に対する質問をします。

私たち生活者ネットワークは、人権の尊重をすべての政策基盤に、安心・共生・自治の理念に基づく参加型市民政治をすすめ、だれもが人間らしく生きることがあたりまえの社会を実現するために活動を続けています。

二宮ようこは、生活者ネットワークの代理人として、2018年度における市長の基本的施策に対し、以下の質問を致します。どうぞみなさん、傍聴にお越しください!

1.福祉について

⑴福祉3計画について

29年度に策定される地域福祉計画、高齢者総合計画、障害総合計画の福祉3計画では、共通の将来像「みんなが自分らしく安心してつながりを持って暮らし続けられるまち」や、共通理念の実現に向け着実な推進に取り組まれるということだが、新たに8つの福祉圏域に再編・整理し、3計画の連携強化を図るとされていまが、具体的にどのような連携をしていくのか。

⑵ケアラー支援について

誰もが介護者・被介護者になりうる時代になっている。介護離職する人や介護殺人・心中等深刻な事件のほか、老老介護、子どもや孫がケアをになうヤングケアラーなど深刻な現状がある。介護は社会全体で担っていくことが重要で、介護保険制度が開始された当初の目的もそこにあった。しかし、介護保険制度が改訂される度に家族が介護を担う方向に逆行している。それなのに介護者への支援は立ち遅れたまま。ケアラーが介護を続ける困難さを一人で抱えることのないように支援していかなくてはならない。

①介護の思いや悩み・辛さが通じ合える仲間と共通の話題で会話することで、一時でもケアラーの精神的負担感が開放できる場が必要。公共の場も活用して市内に点在させるべき。同時に、場を運営するために関心のある市民が実践できるように養成しなければならないが、自然発生的には広がらないため、公的な支援が必要である。ケアラー支援のための場の活用と支援のための養成講座の実施を。見解は。

②ケアラーがケアだけでなく、自分自身の暮しや健康の維持も大切であると認識することが重要。ケアラーが集える場に参加する一歩が中々踏み出せないケアラーが沢山いる。先ずは、助けてほしいといえる社会を作るための道具として、ケアラーであることを前向きにとらえケアラー支援が記載された「ケアラー手帳・調布版」を作成し配布する。当事者の声を聞きながら、ケアラー支援の具体的な仕組みを早急に整えていくべき。見解は。

2.庁内連携について

国領駅前に新たに植えられた樹木が3本枯れている。他に、アレルギー反応のおこる可能性のある「かくれみの」という樹種が植えられているため、植え替えが4月にまとめて行われると聞いている。植栽される樹種は東京都の街路樹の基準から選定しているということであったが、現在どのような基準でどうやって樹種が決められているのか疑問。緑と公園課には専門的知識を持っている職員がいるのだから、環境部と協議し選定することで、このようなことは防げたのではないか。これはあくまでも一事例だが、縦割り行政の弊害が如実にでた結果ではないのか。日々の業務で磨かれている各部署が持つ専門的な知識を共有することで、成果の現われる連携となり施策の充実がはかれる。現在の庁内連携の取り組みを踏まえ、会議の場を持つことに加え、持っている情報を補完し合うことでよりよい仕事が出来ると考えるが、そのための庁内連携をどう考えていくのか。

3.食の安心安全について

我が国の食料自給率は益々低下しているなか、主要作物種子法が廃止される4月以降、民間企業が種子=特許を支配することを現実化し、規制緩和が進み遺伝子組み換え作物も規制から外れる等、食の安全が脅かされる。この法律の廃止は、国民の命にかかわる重大な問題であると専門家は警鐘を鳴らすが、その存在はほぼ知られていない。日本古来の種や地域で開発された種子の自給は「国民の自立」であるといえるため、食の安全が脅かされることになる。

市内での学校給食、保育園給食等に対する遺伝子組み換えや産地が明らかであることなど食材の安心安全は守られているが、今後種子法の廃止による規制緩和が進むことに対し、市は遺伝子組み換え作物の取り扱いをどう考え、食の安心安全をどう守っていくのか。見解を。

4.男女共同参画について

国際労働機関ILOが示しているディーセントワークとは、「人間らしい労働又は働きがいのある人間らしい仕事」と翻訳され、労働条件の改善という課題を具現化しており、貧困と格差という深刻な問題が世界中に広がっている根底には、雇用の破壊と非正規労働の増大があると分析している。内容は、十分な所得、労働者の権利、社会保護、ジェンダー平等となっており、とりわけジェンダー平等は全てにかかる横串となり核になっている。男女ともに生活時間を取り戻し「人間らしく働く」ため意識を変えていく必要がある。市においては担当課の設置、男女の比率改善に取り組む等努力をされているが、女性管理職は微増に留まっている。ポジティブアクションとして更に意識的に進めていかないと実現は難しい。実際ジェンダーバイアスのかかっている社会の既存のしくみがある中で、女性が積極的に選ぶことを増やす為に、今後どのような施策が必要と考えているか。生活時間を取り戻すため、ジェンダー平等の視点を取り入れ男女ともに労働のありかた、働き方への考え方を新たな視点で改善していくべき。また、民間の手本となるように、モデル事業所としての更なる改革が求められているという使命もある。自分の人生を充実させるための労働であり、男女ともに生活時間を取り戻すためのディーセントワークの実現に向けた、さらなる庁内での意識改革についての見解を問う。

5.せんがわ劇場について

せんがわ劇場創設から10年が経つ。今までを振り返りながら、豊かな文化を身近に感じることが出来る環境を市民と共に育んできた。特徴的なものとして、市民サポーター制度とアウトリーチがある。アウトリーチは、次世代グループが仕組みをつくり自主学習を経て、丁寧にヒアリングをし、ニーズに合わせたプログラムで学校、保育園、市内施設でワークショップを実施している。心が動く体験は人の成長に欠かせないとても大きな心の栄養になる。他にも、音楽事業では[ジャズ屏風]という移動型の装置が[clubJAZZ屏風デイスプレイデザイン賞」受賞歴があるなど、せんがわ劇場発オリジナルプログラム、アートも産んできた。

①平成24年に制定された「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」には学校教育との連携が記載されている。市内での観劇、学習発表会等で連携することや、アクティブラーニングなど深い学びに繋げることが出来る環境等、これからの学校教育との連携をどう考えているのか。

②市の所有する劇場として、次期基本計画にどう盛り込んでいくのか。注目度が高い企画等も活かし、10年間積み重ねてきた地域との連携や、豊かな芸術文化を育むまちの劇場としてどこを目指していくべきなのか、他の市内文化施設との違いも含めて、今までの事業をどう検証し、なにを継承させ発展変化させていくのか見解を。