インクルーシブ教育システム成果発表会

1月22日、調和小学校にて、平成25・26・27年度 文部科学省委託 インクルーシブ教育システム構築モデル事業 調布市成果発表会がありました。

調布市では、平成25年から3年間、文部科学省から委託をうけ、調和小学校をモデルスクールに指定し、障害のある者とない者が可能な限り同じ場で共に学びあう教育の実現「インクルーシブ教育システム構築」を目指し、基礎的環境整備を整えてきたということです。

基礎的環境整備とは、合理的配慮の基礎となるもので、共に学び合う教育の実現のことです。その実現のためには、①すべての学校で特別支援教育の推進。②支援のつながりを大切にする。③連続性のある「多様な学びの場」を整備するとしています。

また、合理的配慮協力員の取り組みとして、担当校への定期的な巡回訪問をしており、指導・助言をし、その成果が現れているとの報告がされていました。

調布市では、通級指導(情緒障害等)を受けている児童・生徒は、小学校では、平成27年度は平成22年度の4倍。中学校では、2.8倍。今後の課題として、特別な支援の必要な児童・生徒の支援体制を構築することとしています。

調和小学校における合理的配慮の実践例として、文節ごとに線を入れた教科書の使用、小集団によるスキルトレーニング、クールダウンする場所の確認、マス黒板の使用、注意の仕方の配慮、不安軽減のための事前の見通しの確認などの他にも、多数の報告がありました。

誰もが分かる授業としては、

1.視覚的支援のために・・・板書のパターン化・色使いの工夫・視覚的な教材など

2.学びあいのために・・・ペア・グループでの学び合い・机間指導・アイコンタクト

3.授業の構築化のために・・・発問の仕掛けの工夫と山場の設定、聴覚や運動感覚的支援の工夫、発問・指示の見直し

4.個の特性に応じるために・・・①ヒントカード②ハンドサインや合図③教師の間立ち位置・机間指導の工夫など。これらは、どの子にとっても有効な内容だと思いますので、他校にすぐにでも広がっていくといいと思いました。

通級指導の取り組みとしては、小集団指導、個別指導、巡回指導があり、校内見学の時間帯では、VTRで通級指導の様子が上映されており、実際のプログラムを受けている授業なので、わかりやすかったです。教材展示も多数あり、手に取ることもでき、見学者が熱心にメモや、写真をとっていました。ゲームや気持ちや関係などの教材は興味深く、わかりやすかったです。

これまでも生活者ネットワークは、インクルーシブ教育を取り上げてきました。教師がプログラムの中で実践する寸劇などは、6月の一般質問で取り上げた、演劇教育にもつながっていると思ったので、こころとからだを使う演劇教育も取り入れた、調布オリジナルプログラムがあったら面白いと思いました。

特別支援教室利用者は2学期現在98名、巡回指導教員10名。

これからは、委託期間が終了しても、3年間の成果を活かした工夫をしながら、他校にも拡がっていくことを望みます。

校舎の雨漏りや、床の劣化による剥がれなど、設備の問題もまだまだあります。

子どもたちが、これからの未来に希望をもって生きていけるように、子ども、教育を大事にしていかなくてはと感じました。