平成27年第4回定例議会①一般質問
昨年の12月議会では、「人権の視点を活かした男女共同参画社会の実現に向けて」を質問しました。
男女共同参画社会とは、性別に関わらず一人ひとりが自分らしく生きることのできる社会のことです。私にとって、10周年を迎えた男女共同参画推進センター(以下センター)とは、前身である婦人会館の時から、託児付の講座を利用し、親子共に大変お世話になった場所です。市の財産であるそのセンターを、市民が利用しやすくさらに活用する為に、質問をしました。
(1)庁内での男女共同参画をより一層すすめるために
女性の管理職への登用や、市政への政策決定の場である委員会・審議会への女性参画の政策が進んでいない。子育て介護は女性の仕事という社会認識が根強く、女性が働き続けるために必要な労働条件や、労働環境への施策の視点がずれているのでは。政策決定の場に女性の声を。
答弁・庁内では,女性の政策決定過程への参画率や介護の負担,男性の育児時間などの情報共有のためのデータを配信中。また、推進体制を整備するため,平成28年度から総務部に「人材育成・女性活躍推進担当」を新設する予定。
(2)男女共同参画推進センターの積極的な活用のための、庁内、市民への周知は
市役所は、『モデル事業所』として民間企業に向けた意識啓発をしていく役割を担っており、人権の視点や働く環境、育休や産休、時短などの多様な働き方や、市職員の男女共同参画社会の意識をより高めるために、センターの果たす役割をどう捉えているのか。また、市民に向けた周知を進めるためには。
答弁・子ども家庭支援センターすこやかとの共同事業などを実施したり、公立保育園の園児のお絵かき展などにより、事業をアピールしている。来館者に向けてわかりやすくする為に、入口ドアに文字を表示することを協議していく。広報誌「しぇいくはんず」の掲載や図書コーナーの展示など,男女共同参画推進センターの特徴をPRするディスプレイの展示等を通して,市民課窓口や貸館の利用者にも,施設の役割や事業を周知していく。
(3)学校教育での取り組みと、センターとの連携について
市内中学校で実施された出前講座では、いのちの誕生や、自己肯定感を育む性教育が行われたが、知らないことにより結果として自身の体を傷つけてしまうことにつながるなど、今の子どもたちの現状から見ても、必要な教育。男女共同参画の視点において、学校教育での取り組みは。また、LGBT、デートDV、望まない妊娠、性感染症など、男女ともに自分や相手を大切にする男女共同参画の視点からの人権意識をもつことが大切。小中高の学校教育の場で、発達段階に合わせて積極的に教えるべき。出前講座では、学校での授業に取り入れやすいメニューをそろえ、積極的に活用を図るための連携を進めることを求める。
答弁・毎年中学生の職場体験の受け入れや出前講座を実施しており、多様な家族について考えさせられる映画「そして父になる」の上映会の開催,思春期のお子さん向けには,産婦人科医を講師として派遣し,「こころ,からだ,かんけい」と題してデートDVや望まない妊娠などについて学習する講座,低学年用に「みんな違っていい」を用意。また、各学校の人権教育担当の教員が参加する人権教育推進委員会等を活用して,各学校で取り組んでいる男女平等教育の内容を情報共有し合う機会を設ける。
(4)LGBTの子どもへの早期支援について
40人クラスにおよそ2人がLGBTであるといわれている。当事者のこどもが、LGBTを取り上げていた学校の保健室の廊下のポスターを見て、自分と同じだと気付き救われた思いで学校生活を送ることが出来たという事例があった。家族や友達にありのままの自分を表現出来ないつらさを抱え、暴力、いじめ、差別などの不当な扱いを受けても相談するところがなく、どうしたらいいのか分からないなど、当事者の問題は深刻。多様な生き方についての学習や、支援につなげる取り組みと相談できる場所が必要。
答弁・教職員に対し、学校訪問等の機会で指導。相談窓口設置で環境整備に努める。今後,児童館や青少年ステーションCAPSでは,性的少数者である子どもや若者への理解を深め,日々の活動の中で子どもたちの悩みに気付き受け止められるよう,職員の意識啓発を行っていくとともに,LGBTに関する研修なども行っていく。
(5)行政事務や、公文書の見直しと、条例の制度整備を求める。
市では、この7月から、印鑑登録証明書にこれまで記載されていた性別欄は不要とし、削除する見直しを行ったことは評価。渋谷区では、「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」、世田谷区では、「パートナシップの宣誓に関する要綱」を施行し、同姓カップルを認める公文書の発行を行っている。これは自治体として、多様な生き方を認める社会をつくっていこうとする姿勢を示すことになる。市が発行する公文書性別記入欄の見直しを進め、市職員のLGBTへの意識を高める研修を行い、同性カップルなど性的マイノリティの多様な生き方を支援する条例などの整備について。
答弁・職員の意識啓発を行っていくとともに,LGBTに関する研修なども行っていく。また,LGBT当事者の家族もまたその事実を受け入れられない場合が多く,何件もの病院を受診させるなどのつらい体験をするとの報告もある。こうした状況に対応するためには,社会全体が身なりや性別にかかわらず,一人の人間として自分の個性を生かし,相互に人格が尊重されるよう積極的な啓発が必要。また、区部で見られる条例などの整備については,都や国全体の動向を注視していく。
(6)男女共同参画の視点で避難所運営が行われるために、男女共同参画推進センター職員の役割と、その視点を持ったボランティアの養成・派遣、これまでの被災地での問題点を参考にした事例集や、避難所運営の際に配慮すべき点を掲載したリーフレットの作成を求める。
各被災地での避難所運営する中で、女性の声が届かないことや、性被害の事例が多数報告されている。避難所運営の際、女性にとっても安全・安心な運営が行われているか、センター職員が避難所を回り、チェックとアドバイスを行うことを求める。また、災害時には職員だけでは手が回らないことが予想される。男女共同参画の視点を持った避難所運営の支援ができるボランィアの養成・派遣や、被災地の困難な状況を繰り返さない取り組みを進めるべき。平常時から共通の認識を持つことは非常時に役に立つことから、意識啓発のためにも、地区協議会などでも活用出来る事例集や、避難所運営の際に配慮すべき点の掲載されたリーフレットの作成 を求める。
答弁・男女共同参画の視点を持ったボランティア研修を、市民活動支援センターと共働して実施していく。現在,男女共同参画推進センター運営委員会では平成26年度から2年間をかけて,災害時におけるセンターが果たすべき役割や女性視点の避難所運営に関するリーフレットの作成について協議しており,今年度末に提言として取りまとめる予定。また,来年3月には女性のための防災講演会を市民プラザあくろすホールにて実施する予定。地区協議会等を通じてPRしていく。