平成28年第2回定例会 陳情討論

6月21日、第2回定例会が閉会しました。

今定例会では、3件の陳情が提出されました。

「原発事故避難者への住宅支援の継続をするよう政府及び東京都に意見書を提出することを求める陳情」が採択となり、「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」を建設委員会から、委員会提出議案として国へ提出されました。

議案第64号「議員提出議案について質疑・討論を求める陳情」については、付託された議会運営委員会では、議決権のある4会派のうち、共産党以外の自民、公明、チャレンジ調布21が不採択としたため、賛成少数で不採択となりました。

それに対し、生活者ネットワークとして採択を求め討論をしました。以下要旨です。

本陳情は、平成28年第1回定例会から議員提出議案の趣旨説明がされることになりましたが、提出された議案8件のうち1件だけが否決され、質疑・討論がなく、なぜ否決されたか理解が出来なかったため、異論のあるものについては議論を尽くし、問題の本質を明らかにしてから採決すべきとして、国政に関するものも含め、本会議で質疑・討論を行うことを求めています。

前回定例会の議員提出議案第5号「待機児童ゼロに向けたさらなる支援拡充を求める意見書」は採択、議員提出議案第6号「緊急の待機児対策として保育所確保・解雇防止への対応を求める意見書」は不採択となっており、求める項目こそ違うが、共に待機児対策、保育士の職務環境等の改善を求める趣旨であるため、市民にとってなぜ結果が分かれたのかという疑問を感じることは、理解できうることです。

討論とは、議員が議題に対して、自己の賛否の意見を評決の前提として行い、賛成者と反対者が交互に自分の意見を述べて、相手の意見に対し論じ返すことにより、聞く人に対して論点をあきらかにし、問題の判断をしやすくするためのものです。本件の陳情者は、意見が分かれるときは理由を述べるのが普通であるとも述べています。

議会の常識は、市民にとっての常識とは限らないことや、議会で通常使われている言葉も含め、市民にとって理解しずらいこともあるということを肝に銘じておかなければ、市民不在の議会となり、誰のために存在する議会か分からなくなってしまいます。市民に分かりやすくひらかれた議会運営の下、議論を尽くし、市民への説明責任を果たす議会となるために、不断の努力をしていかなくてはなりません。

議会は「言論の府」であり、議員間の自由討議による議論を尽くし、合意形成を図るよう努め、結論へと結びつけることが望ましいと考えます。調布市議会基本条例では「第10章条例の位置付け及び見直し手続き」と定めており、常に見直す姿勢も必要です。

本陳情の趣旨と、「言論の府」である議会の役割を考えると、採択とすることに、何の違和感もありません。よって、生活者ネットワークは本陳情に対し、採択を求めます。